送油管に穴を開けて石油を盗み、転売する特殊犯罪「盗油」を韓国映画で初めて正面から取り上げ、本国公開前から大きく話題を集めた本作。その犯罪組織のリーダーを担う最高峰の穿孔技術者を演じるのは、「応答せよ1997」「元カレは天才詐欺師」をはじめジャンル不問の完璧な熱演で作品毎にファンを虜にするソ・イングク。『君に泳げ!』以来、待望の8年ぶり映画復帰を飾り、洗練されたブランドもののスーツを着たまま穿孔(せんこう)を行う姿から、危険極まりない盗油作戦に巻き込まれる姿まで、多彩な魅力で再び観客の心をつかむにちがいない。さらに数千億ウォンの盗油作戦を計画する大企業の後継者にモデル出身のイ・スヒョク、そこへ合流する5人の盗油師たちも映画やドラマで幅広く活躍する実力派俳優が脇を固め、個性あふれるキャラクターによる予測不可能なチームプレーも見どころ。『マルチュク青春通り』、『江南ブルース』など、作品毎に韓国の現実を鋭く捉えながらも、人間の繊細な内面を表現してきたユ・ハ監督が演出と脚本を手掛け、スケールの大きなスペクタクルなアクション、人生逆転を夢見る盗油師たちのドラマチックな物語まで、見どころ満載の新たな犯罪娯楽映画がここに誕生した。
パイプに手さえ触れれば、大成功を収める盗油業界最高の穿孔技術者“ピンドリ”は、数千億ウォンの石油を盗むために大計画をぶち上げた大企業の後継者ゴヌの提案を拒めず、危険極まりない作戦に合流する。プロ溶接工の“チョプセ”から、地中を透視できるかのように把握している“ナ課長”、怪力の人間掘削機“ビッグショベル”、彼らを監視する“カウンター”まで!しかし、異なる目的を持つ者たちが騙し騙されながら、計画は予想外の方向にこじれ始める…。
ドラマ「応答せよ1997」で主演デビューを飾ったソ・イングク。彼はクールそうに見えて優しさあふれる魅力で全国に「ユン・ユンジェ病」を引き起こし、演技デビューを成功させた。その後、「ナイショの恋していいですか!?」で、高校生と企業の本部長を行き来する人物を演じ、とぼけた演技と甘いロマンスを完璧にこなして、演技において独自のカラーを見せた。続いて「王の顔」、「元カレは天才詐欺師~38師機動隊~」、「空から降る一億の星」など、多様な作品で、多彩なキャラクターを演じ、実力派俳優としての地位を固めた。久々に映画に戻ってきた彼は『パイプライン』で、史上最大の盗油作戦をリードするピンドリ役を演じ、デビュー以来、最も強烈な変身を予告。今まで見られなかった新たな姿を披露することで期待を集めている。
<主な出演作>
映画『君に泳げ!』(13)
ドラマ「ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた(原題)」(21)、「空から降る一億の星」(18)、「ショッピング王ルイ」(15)、「元カレは天才詐欺師♡ ~38師機動隊~」(15)、「君を憶えてる」(15)、「王の顔」(14)、「主君の太陽」(13)、「応答せよ1997」(12)
2006年にモデルとしてデビューしてファッション界を騒然とさせ、華やかなキャリアを重ねてきたイ・スヒョク。彼は2010年に演技にも活動範囲を広げ、本格的な俳優活動を始めた。2011年にドラマ「根の深い木 ―世宗大王の誓い―」で優れた武術の腕を持つ護衛武士「ユン・ピョン」のキャラクターに扮し、スポットライトを浴びた。その後「一理ある愛」、「ナイショの恋していいですか!?」、「夜を歩く士〈ソンビ〉」、「運勢ロマンス」、「ボーンアゲイン ~運命のトライアングル~」など、時代劇や現代劇、ファンタジーなど多様なジャンルを行き来しながら、並々ならぬ存在感で俳優としての地位を固めた。今回『パイプライン』では、ストーリーに緊張感を与える冷徹で血も涙もない「ゴヌ」役を完璧にこなしながら、今まで見せてきた姿とは完全に異なる強烈なキャラクターに変身し、正反対の魅力を見せることになる。
<主な出演作>
映画『チャ刑事』(12)
ドラマ「ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた(原題)」(21)、「ウチに住むオトコ」(16)、「夜を歩く士〈ソンビ〉」(15)、「ナイショの恋していいですか!?」(14)、「サメ~愛の黙示録~」(13)、「根の深い木 ―世宗大王の誓い―」(11)
2017年に自身が出演した短編映画『AHWAER(原題)』と、初の演出作『尾行(原題)』で、カンヌ国際映画祭のコンペティション外部門に招待され、「実力派俳優であり、監督である」という栄誉ある修飾語を得た。2019年、ドラマ「熱血司祭」で忠実な部下であり、組織内のトラブルメーカー チャンリョン役を演じ、完璧に「主役を食う脇役」で、俳優としての自身の名を刻みつけた。さらにSBS演技大賞で男性新人演技賞を受賞し、俳優として頭角を現す。その後「ザ・プロファイラー~見た通りに話せ~」、「コンビニのセッピョル(原題)」、「こんにちは? 私だよ!」など、変化を恐れないチャレンジ精神で、作品ごとに印象的な演技を繰り広げ、視聴者に愛されてきた。彼は『パイプライン』でコミカルでありながら、憎めない魅力でいっぱいのチョプセ役を演じ、また1つの新たなキャラクターの誕生が期待される。
<主な出演作>
映画『君の結婚式』(18)、『コンフィデンシャル/共助』(17)
ドラマ「こんにちは? 私だよ!」(21)、「熱血司祭」(19)、「耳打ち~愛の言葉~」(17)
演劇界で10年以上のキャリアがあるベテラン俳優だ。イ・チャンドン監督の『ペパーミント・キャンディー』で本格的にデビューした。『殺人の追憶』、『トンマッコルへようこそ』、『グエムル -漢江の怪物-』など、韓国映画史において重要な作品に出演しながら、着実に出演作を増やしていった。その後、ポン・ジュノ監督が制作を引き受けた映画『海にかかる霧』で「ギョング」役を演じて、強烈な印象を残し、代替不可能な脇役として認められた。本作では盗油師の中で、重みのある存在感を発揮しながら、ストーリーの完成度を高めるだろう。
<主な出演作>
映画『悪人伝』(19)、『悪の偶像』(18)、『1987、ある闘いの真実』(17)、『トンネル闇に鎖(とざ)された男』(16)、『江南ブルース』(14)、『海にかかる霧』(14)、『私のオオカミ少年』(12)、『グエムル -漢江の怪物-』(06)
作品ごとに変幻自在のキャラクターを誕生させる優れた演技力の所有者だ。演劇界で長い間、活動してきて、「大丈夫、愛だ」、「ピノキオ」、「雲が描いた月明り」をはじめとしたドラマはもちろん、『サイコキネシス -念力-』、『潔白』、『この中に宇宙人がいる(原題)』など、映画にも出演しながら個性あふれる演技で愛されている。本作では純朴な見た目とは異なる怪力の持ち主「ビッグショベル」役を演じ、本作に活力を与えるだろう。
<主な出演作>
映画『潔白』(20)、『サイコキネシス -念力-』(17)
ドラマ「雲が描いた月明り」(16)、「ピノキオ」(14)、「大丈夫、愛だ」(14)
モデルとして芸能活動を始め、2018年JTBC「私のIDはカンナム美人」でクォン・ユンビョル役を演じ、ボーイッシュな魅力はもちろん責任感の強い姿で、視聴者の心をつかんだ。続いてMBC「悪い刑事 ~THE FACT~」の気難しいが、しっかりした巡査役からtvN 「アスダル年代記」の有能な戦士ミルソルまで、強靱な女性キャラクターを完璧に演じて、次世代女優として地位を固めた。本作で映画初出演を果たした彼女は状況判断の素早い監視者役を演じ新たな魅力を見せるだろう。
<主な出演作>
ドラマ「アスダル年代記」(19)、「私のIDはカンナム美人」(18)
1988年に詩人として文壇デビューし、自身の作品をモチーフにした同名の映画『風が吹く日なら狎鴎亭洞に行かねばならない』の演出を引き受け、監督としてデビューした。その後、『情愛』を通じて社会や文化を洞察する型破りな視線で話題を集めた。そして70年代後半の高校生の嵐のような成長期を描いた『マルチュク青春通り』で観客の共感を得て興行に成功し、数多くの流行語を生み出して全国的にブームを引き起こした。さらに『卑劣な街』、『江南ブルース』まで続く「街(通り)3部作」を完成させて、第40回百想芸術大賞、映画シナリオ賞と、第26回韓国映画評論家協会賞、監督賞を受賞。独特のスタイルを持った監督であり、ストーリーテラーとして映画界を掌握した。これまでリアルなアクションと、その中に溶け込んだドラマで愛されてきたユ・ハ監督は『パイプライン』を通じて初めて犯罪娯楽映画に挑戦し、それに独自のカラーを加えた新たな解釈を見せるだろう。
<作品歴>
『江南ブルース』(14)、『凍える牙』(12)、『霜花店(サンファジョム)運命、その愛』(08)、『卑劣な街』(06)、『マルチュク青春通り』 (04)、『情愛』 (01)