韓国映画界を牽引する俳優チョン・ウソンが遂に監督デビューを飾る。手掛けるのは10年ぶりに出所して自分を追う過去から抜け出し平凡に生きようとする一人の男スヒョクの死闘を描いたアクション大作。チョン・ウソンは監督だけでなく、主演のスヒョク役を演じ深みのある演技とパワフルなアクション演技を披露している。共演に最新作『非常宣言』での活躍も記憶に新しいキム・ナムギル、さらには『新しき世界』をはじめ強烈な印象を残すパク・ソンウンという同じく韓国映画界を代表する名優が集結し、作品を更に盛り上げている。斬新なストーリー展開とともに個性的なキャラクター、スタイリッシュなアクションでトロント国際映画祭を騒然とさせた話題作が遂に日本へ上陸する。
凶悪な殺人の罪で懲役10年を言い渡されたスヒョク(チョン・ウソン)が出所の日を迎える。今も忘れられずにいる昔の恋人の元を訪れたスヒョクは、自分との間に子供が生まれ、幼い女の子の父親になった事実を悟る。所属していた犯罪組織との縁を切り、家族のために平凡な日常を送ろうとするスヒョクだったが、ボスの反感を買い、組織が雇った成功率100%の殺し屋に元恋人を殺され、娘は人質に取られてしまうのであった。自分に残されたかけがえのない最愛の人を守るため、スヒョクは再び暴力と謀略の世界に身を投じていく――。
1973年3月20日生まれ、韓国・ソウル出身。『私の頭の中の消しゴム』(04)『アシュラ』(16)をはじめ、アクションからラブロマンスまでジャンルを問わず韓国映画界を牽引する実力派俳優。1994年『KUMIHO/千年愛』で映画デビューし、『ビート』(97)での演技が高く評価されブレイクを果たす。その後、『グッド・バッド・ウィアード』(08)、『監視者たち』(13)、『無垢なる証人』(19)、『スティール・レイン』(20)といった幅広いジャンルの作品で長年活躍し続けている。監督デビュー作となった本作は第47回トロント国際映画祭にノミネートされた。韓国映画界屈指のアクション俳優としても知られる彼が本作で見せるのは、よくある息の合ったアクションではなく、罪の意識、自責の念、揺るぎない決意を伴った目的のあるアクションであり、そのすべてが観客の心に響く演出で描かれている。
【主な出演作】
『グッド・バッド・ウィアード』(08)、『神の一手』(14)、『愛のタリオ』(14)、『神の一手』(14)、『私を忘れないで』(16)、『ザ・キング』(17)、『藁にもすがる獣たち』(20)
1980年3月13日、韓国・ソウル特別市出身。1999年にTVドラマ「学校」で俳優活動を開始。オムニバス映画『ドント・ルック・バック』(06・未)で長編映画デビュー。それまでの芸名イ・ハンから、本名のキム・ナムギル名義で出演した『カン・チョルジュン 公共の敵1-1』(08)で映画ファンの注目を集める。TVドラマ「善徳女王」(09)や「赤と黒」(10)などで人気を博し、サイコキラーを演じた『殺人者の記憶法』(17)、コミカルな快演を披露した『感染家族』(19)など、多彩な作品選びと演技力に定評がある。バラエティ番組にも進出するなど、エネルギッシュに活動中。
【主な出演作】
『美人図』(08)、『愛の運命 -暴風前夜-』(10)、『パイレーツ』(14)、『無頼漢 渇いた罪』(15)、『花、香る歌』(15)、『パンドラ』(16)、『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』(17)、『クローゼット』(20)、『非常宣言』(22)など
1973年1月9日、韓国の忠州出身。モデルとして活躍している兄の影響もあり、24歳の頃から俳優を志す。10年間は苦しい無名時代が続いたが、人気ドラマ「太王四神記」(07)で演じた個性的なキャラクターのチュムチ役で知名度が高まった。その後出演した、イ・ジョンジェやチェ・ミンシク、ファン・ジョンミンら錚々たる顔ぶれの映画『新しき世界』(12)が大ヒットして映画俳優としても注目を浴びる存在となる。チョン・ウソン監督に熱望されて引き受けたウングク役では、髪型などの細かい部分についても自ら提案して役にのめり込み、その圧倒的な存在感と演技を披露した。
【主な出演作】
『鬼はさまよう』(14)、『オフィス 檻の中の群狼』(14)、『愛を歌う花』(15)、映画『V.I.P. 修羅の獣たち』(17)、『スウィンダラーズ』(17)、『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(18)、『ノンストップ』(20)など
1983年3月29日生まれ、韓国出身。『金子文子と朴烈(パクヨル)』(17)でデビューしたキム・ジュンハンは、本当の日本人と見間違うほどのクオリティで日本人キャラクターをリアルに表現して話題を呼んだ。その後、「賢い医師生活」(20)で色気のある脳神経外科医を演じ、お茶の間の視聴者の心をがっちりと掴む。監督は、キム・ジュンハンが同じ現場で演技するのを見たことがなかったにもかかわらず、彼の出演作『藁にすがる獣たち』(20)を見て場を乱す予測不可能なキャラクターのカン役をイメージしたという。
【主な出演作】
『サンセット・イン・マイ・ホームタウン』(18)、「時間」(18)、「神のクイズ:リブート」(18)、『王の願い ハングルの始まり』(19)など